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一つだけでもいいところがあれば充分だ

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一つだけでもいいところがあれば充分だ

2021/04/08

結婚への道を歩む大切なポイント「一つだけでもいいところがあれば充分だ」

 

 上出来。それでいいよ。一つだけでもいいところがあれば充分だ。

 これは、もういまは知らない人も多いのだろうな、「鬼平犯科帳」、「仕掛け人・藤枝梅安」、「剣客商売」等々、昭和という一つの時代を牽引した文豪のひとり、池波正太郎さんのことば。

 その池波さんの若い友人が、結婚したい女性がいるんだけど、いまひとつもの足りない、という。それで、気に入っているのはどこかと聞くと、「約束の時間を、きちんとまもること」と答えるのに返したことば。上出来。それでいいよ。一つだけでもいいところがあれば充分だ。

 

 さて、文豪と一緒にしては、あまりに失礼なんだけど、これって、私がよくいう60%で始めてはどうだろう、ということばとよく似ている。

 半分より少なければ、それはたしかに具合が悪い。90%100%を望んではみるけれども、そういう人はなかなかいない。そしてたとえいたとしても、今度は逆に相手を見る目が減点法になってしまう。それよりも、60%ではじめた方が、小さなことを喜べる。

 そして60%でも一つだけ、あくまであなたにとって、絶対に人に負けないというところをもっているということ。これはものすごく大切です。それが見つけられるか、どうか。

 

 もちろん、それは条件だとか、形に見えるものじゃなくて、たとえば、さよならを言うときの笑顔だとか、もっと平坦には優しさとか、朗らかであるとか、そういうもの。

 しかし、池波さんの〈上出来〉という、心映えというのか、心持ちというのか、肯定的なことばがすばらしい。そういう気持ちで結婚への道を歩むことができるかどうかということも、大切なポイントです。

 

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