結婚についてふと思いつくのは、最近よく耳にする〈みんな〉ということば。
2021/06/14
朝日新聞、〈折々のことば〉に、うらやむとねたむの違いについて書かれていました。考えてみれば、どちらも、ほとんどいっしょの意味として、使っていたことば。
イラストレーターの汐街コナさんが高校生のとき、現代文の先生から教わったことで、「自分より上の人を〈うらやむ〉のは〈自分をその人の位置まで高めたいと思う〉こと、〈ねたむ〉のは〈その人を自分の位置まで落としたいと思う」こと、と記されていました。
人を引きずり下ろすより、自分もそうなりたいと思う方が幸福への距離は近いと、筆者の鷲田清一さんは書かれています。
ほんとうにそうだなと思いながら、結婚についてふと思いつくのは、最近よく耳にする〈みんな〉ということば。
みんな結婚していないから、みんな婚活だってしていないから……。
けっして形の見えない〈みんな〉を〈自分の位置まで落としたい〉と思っているのではないかな。
そして結婚する人を〈うらやんで〉いる人には、それはちっともおかしいことではないんだといいたいのです。
やがて、自分がその人の位置に届くときはきっと来る、と信じてほしいなと思います。